クリアから1週間立ったし、FF16のクリア後感想をまとめてみる。
ゲーム自体の紹介・批評は他でも腐るほど書かれているので、あえて自分がプレイしてきた他ゲームとの比較とか、ヒカセン(
FF14プレイヤー)としての視点で書いていく。
感想の性質上、FF16だけでなく
FF14のネタバレを含むので未プレイ、未クリアの方は要注意。
ぶっちゃけ、このゲームの評価は
ただし、唯一無二と言える見どころも多々ある。
少なくとも未完成感は無いし、そこらの凡ゲーでは出来ない表現や作り込みは圧巻。
FF16でしか味わえない魅力はいくつもあるし、序盤~中盤にかけてのシナリオへの没入感は過去にも類を見ないゲームだった。
ただ……クリアした直後に思ったことは、
「読後感が、ひじょ~に、悪い!」
というもの。
以下に、具体的に良かった点悪かった点を挙げ、賛否の分かれる部分を分析していく。
良かった点
中世ヨーロッパ風、剣と魔法の世界観
体験版感想でも語った通り、これについては珠玉の逸品。
FFらしさという意味ではもっと
機械的な技術が発展しててもそれらしいと思うが、その分ファンタ
ジーな雰囲気が前面に出ていて「
召喚獣」にクローズアップした描き方と「魔法」周りの設定については、この世界独自の過酷さやFFらしいスケールも感じられて満足度は高い。
いわゆる
オープンワールドな中世ファンタ
ジー系の
洋ゲーと比べると、自由度や世界の広さはあまり感じないし生活感等もゲームに関わってこない部分は薄く感じられるが、その分モブを含めた一人ひとりのシナリオについてはかなり細かく描かれている。
特に主人公であるクライヴ・ロズフィールドを主軸に物語が展開していくので、クライヴに感情移入できた人は深い没入感も合わさってぐいぐいと引き込まれるストーリー展開になっている。
サイドクエストの作り込み
物語の途中で都度サイドク
エストが挟まるが、ストーリー途中では一度にせいぜい2,3個しか出ないからあまり横道にそれる事無くさっとこなしてストーリーの深掘りができる。
最終盤で一気に増えるが、それが世界観の根底やキャ
ラクターの背景を決定づける重要な内容になっているので、ストーリーを楽しみながらサイドク
エストをやってた人にはかなり満足できる仕上がりになってたと思う。
ク
エスト自体はお使いが多く、物を渡したり指定場所の敵を狩ってきたり。ク
エスト前後に挟まる会話の
カットシーンの雰囲気とか、この辺りの感じは
FF14にもかなり近いと思うところがチラホラ。
ド迫力の演出で描かれる召喚獣バトル
これについては間違いなく唯一無二。
一般に、ゲームという性質上基本的にはボスバトルであっても一定のフィールドで敵と向かい合ってその空間の中で戦う。という形になってしまうのが避けられないけど、今回の
召喚獣バトルは同サイズの敵から巨大サイズの敵まで幅広く登場し、広大なフィールドを
パルクール的に駆け回ったり空に飛び出したりと謳い文句通りジェットコースターのような体験で、リアルタイムにフィールドが移り変わる様が面白かった。
通常バトルのテンポ良いアクション
バトル自体はそこそこスピーディーに展開するし、うまくスキル構成を考えれば雑魚は即一掃したり中ボスもあっという間に削り切ったりと工夫のしがいは多々ある。
自分が割と飽きっぽいのも自覚しているので、あえて新しい体験をするために
新しい召喚獣アクションを覚えたら必ずそれを組み込んだビルドに変える
ってやり方をしていたのもあって、ちょくちょくプレイフィールを変えられたしそれによって「あ、この組み合わせでこんなダメージ出せるのか」という気づきもあったりで、飽きること無く楽しめた。
DMCっぽいと言われてるが、
DMCは未経験なんで分からず……
FF14の戦闘は基本的にGCDと時間経過によるタイミングとタイムラインが基準になっていて、一定のリズムに合わせてボタンを押していくような一種
音ゲーに近いゲーム感覚になるが、FF16は殴るだけなら□ボタン連打になるし敵の攻撃を避けるため一旦攻撃を中断して敵が動くのを待つなど、アクションゲーム的な駆け引きも入ってくる。
「数分毎に効果的なアビリティを使う」「範囲攻撃は床に
AOEが表示される」など、要素だけ見ると
FF14っぽさも感じられるけどゲーム体験としては全くの別物。
祖堅さんの音楽で彩られるゲーム体験はやはり格別。
メリハリの効いた曲調に荘厳なボス戦のコーラス、FF感のあるフレーズにゲーム進行に合わせた曲の自動調整などゲームファーストの
サウンドへのこだわりはさすがの一言。
また、とあるボス戦に入ったときは思わず「やってんなぁw」って言葉が出るほど祖堅さんミュージック好きにはたまらない曲調になってた。
ただ、全体として
FF14音楽と同じように楽しめるかと言われると、そこはハッキリ異なる。
FF16では世界観を重視しているのもあってオーケストラ系の統一感のある曲調が多く、
FF14にあるような「ここでこんな曲持ってくるのか!」「ボス戦でガッツリとボーカル付きかい!」みたいなものはあまり無い。
個人的にはあのはっちゃけ感も
FF14音楽の魅力だからそういう要素があっても良かったなと思いつつも、FF16自体は現在の形が合っているとは思う。
深い没入感
このゲームが特に拘っているのがここだと思う。
ロードがない、シームレスに動く。という点が注目されていて実際にそれらも没入感に深く関わっているけど、他機種展開できないほどPS5に最適化しないといけなかった最大の要因は「プリレンダムービーの画質と通常のゲーム画質がほぼ同等なので、どこがムービーシーンかわからない」ようになっている点だと思う。
これによって何が変わるかと言うと、
FF14の
カットシーンで明確な弱点として感じられる「描写されている人数少なくない?」とか「アップにすると解像度の粗さが目立つ……」といった点がほとんどない。
PC含めた現状のゲーム機では「何十人ものキャラが一斉に動いててアップに耐えうるような高画質で描写する」なんて事は現実的にできない。だからプリレンダと通常レンダを混ぜる事でそういった問題を解決してるらしいけど、ここで低スペックに合わせたモードや、PC環境に合わせた「画質調整」とかが入ってしまうと「ここのシーン、手前と遠景で画質違いすぎない?」とか「このシーン終わった後、謎のロードが」みたいな問題が出てくるのかと。
そこを良い意味でうまく誤魔化すことで、やめ時のないプレイ体験が作られていると思う。
悪かった点
プレイ中、もしくはプレイ後に気になった点や、ここは明確に不満。と感じた点を挙げていく。
RPGとしての余白的な「遊び」の薄さ
個人的にはそこまで気にならなかった部分でもあったけど、不満を持ったコメントを見かけて確かになと思った部分。
FF14プレイヤーにとっては、何度か「吉P節」を聞いていてその
ゲームデザインを選ぶ理由とかが自然と察せられるけど、それを知らない、納得できない層からすると不満に思うところも理解できる。
例えば
FF14で何度も話題に上がっている「イフリートに火属性が効くの」問題。
弱点属性ってのは突き詰めると"わかっている前提"になるので、「炎弱点ならファイア連打」「氷弱点ならブリザド連打」「雷弱点ならサンダー連打」になるだけで、それって「攻撃魔法」という一択と実質変わらず楽しさに繋がらないのでは。といった事をよく言っていて、これはある程度的を射ていると思う。
ただ、これによって武器も「ただ攻撃力が上がるだけ」、防具も「ただ防御力が上がるだけ」になっていて集めた素材をどのように扱うか悩んだりといった事はほぼ無い。
武器作成も、基本的にストーリーやサイドク
エストを進めてるとその時点で必要な素材が自然と揃っていき、意識せずとも適切な装備を整えられるようになっている。
自分としてはモンハンやってる時なんかでも、ストーリー進めてる間は結局作りやすい万能武器だけで進めるので、変に悩んだり素材集めに手間がかかるよりは手軽でいいなと思える部分ではあるが、遊びの余地が狭くなると言われればそれはそうかとも思う。
そういえば
FF14も、ストーリー進める間は自然と適正装備がもらえるので「装備集めに悩む」事はほぼ無いな。
絵面が暗い
ネタ的に何度も言われてるけど、これは事実そう思う。
ただ、
有機EL&
HDR環境の自分としては「暗くて見えない」って事は全くなくて、むしろ暗いステージはそういう雰囲気もあって楽しめた。
むしろ気になったのは物語の演出や設定上のためあえて暗い画作りをしている部分があって、意図的であることはわかるんだけどもう少しキレイなマップを堪能させて欲しかった。という意図によるもの。
FF14はマップデザインもかなり好きなんだけど、特に好きな
ドラヴァニア雲海、紅玉海、アジムステップ
ドラヴァニア雲海に辿り着いたときの「こんな所まで来てしまったんだ……」という感慨は今でも覚えているし、紅玉海やアジムステップに入ったときの、一面の海!広大な草原!青い空!!っていう絵作りがほんとに好きなもんで、FF16では後半そういった空気感や透明感が得られないのはやはり残念。
カメラを動かすと酔う
フレームレートの問題なのかブラーの問題なのかわからないけど、これはある。
不思議なほど戦闘そのものでは全く酔わないんだけど、フィールドを歩いている時にカメラを回すと「あ、やば」ってなる時が何度も。
カメラを固定していれば問題ないし、変に注視しなければ大丈夫だからこれで困る事はそんなに無かったんだけど、フィールドカメラが快適でない事は確か。
今作はミニマップが無い点も多々話題に挙げられていて、これに対する「ミニマップがあるとミニマップを見ながら歩くゲームになってしまう」という意見には大きく同意できるし、個人的にも他ゲームをやる時あまり面白くないと感じることが多い部分。
けど、ミニマップが無いことで「ここ進めるんかな」とカメラを動かしながら見回すとてきめんに酔うので、実はミニマップって酔い止めの効果に一役買っていたのかもしれない。
など。あくまで「特にこの辺りが」と感じる部分なので、これだから
クソゲーという物ではないけど、ちらほらと不満に感じる部分はあった。
賛否が分かれるゲーム性
他の人の評価を見てるとかなり賛否の分かれるゲームになっている。
いずれも極端な意見は除けば、どちらも間違った事は言っていないとは思う。
では何故ここまで賛否が分かれるかと言うと、
上記に挙げた良かった点が、ことごとく受け付けない人がいる。
というのが評価の分かれる原因なっているかと思う。以下個別に分析。
・世界観について
ゲームの世界観・雰囲気はとてもよく描けているが、これから受ける第一印象は体験版感想にも書いた通り「まるで
ゲーム・オブ・スローンズの世界」といった印象。このため、「もっとFFらしい世界観に浸りたい」という人には合わないケースがどうしても出てくる。
ただ、細かい部分を見ていくとFFらしさはところどころにある。キャ
ラクターの名前や
召喚獣といったわかりやすい部分はもちろん、各地に残る
古代文明や伝承の描き方、いくつかのストーリーラインなんかはまさにFFってイメージを感じさせる作りになってる。
このあたりは「FFに何を求めるか」が本当に人によって異なるので、「中世ファンタ
ジーの世界観で見事にFFを描ききった」と感じる人もいれば、「これってFFである必要はあったんだろうか」と思ってしまう人もいるだろう。
・サイドクエストについて
これも人によっては「ただのお使いを何度もやらされる」「時間がかかる割に報酬がしょぼい」といった評価で不満点として挙げている。
お使いに関しては指摘自体はもっとも。サイドク
エストで新しいマップが開放されたりはしないので、何度か同じところを回らされる。ただ目的地自体はサイドク
エストで初めて訪れる場所も多いので、この辺り"新しい場所へ行ったらまずマップを隅まで回る"人と、"一先ずストーリーの目的に向かってまっすぐ進んでサイドク
エストが出た時に初めて寄り道する"人でも感じ方がだいぶ違うかもしれない。
報酬については正直なところ、自分はサイドク
エストをやるとき報酬を目的にしてなかったのでこの観点で考えた事は無かった。話の補完を目的にサイドク
エストを進めて結果的にいくつかの報酬が手に入る。その報酬を使うと新しい武器作成やアイテムの強化に使えるものがピッタリ手に入るので、むしろ「あぁク
エストやってれば自然と強化できる仕組みになってるんだな」と、無駄な素材集めの手間を省く構造に関心したくらい。
サイドク
エストについてはある意味、
FF14で慣らされた部分もあるかもしれない。「
モーグリ」とか「風脈」とかトラウマが刺激されるようなものは無いよ!安心!
・召喚獣バトルについて
ジェットコースターのような感覚で新しいバトルが体験できる。ことに間違いはないけど、「これってただのイベント戦闘じゃん」と言われれば、それはその通りである。
「単にボタン押すだけ」というほど単純では無く、通常戦闘と同じように自分で操作して戦うシーンも多い。ただ、難易度自体は優しめに作られているので、この戦闘で「勝てない敵に何度も挑戦し、ようやく撃破した!」みたいな達成感は無い。
召喚獣バトルが行われるタイミングも完全に決まっているので、"ストーリーの特定地点で発生する、イベント戦闘"であることには全く間違いはなく、こういう要素が好きか嫌いかで評価が分かれる部分だと思う
・通常戦闘について
これも人によって評価が分かれる部分だが、その違いは難易度というか「勝つだけならどうとでもなる」点にあると思う。
戦闘が単調という意見に対し、「サポートアクセサリー付けてるのでは」「□ボタン連打しているだけでは絶対無い」という意見があるけど、このゲームはサポートアクセ無しでも、
□連打して殴って、攻撃が来そうならR1連打して避けて、また□連打して……溜まった時にアビリティぶっぱ
だけで勝てる。ほんとに勝てる。ボス含めて例外なく。ただ、えらく時間はかかるし、もちろん爽快感はない。
なまじこれで問題なく進める関係で、アクションにあまり興味のない人ほどアビリティの研究をせず同じ戦い方をしたまま次に進んで、結局同じことの繰り返しだなぁと感じてしまうのでは。
ここはいっそ割り切っていろんなアビリティ付け替えながらオートアタックアクセサリーで、「お~、なんかかっこいいことやってる~」ってプレイした方が楽しめたんじゃないかと思う。
「ストーリーフォーカスだからアクセの関係で単調」なのではなく、むしろ「アクションフォーカスにしたのに特にアクションの研究をしなくても余裕で勝てるから単調」という、アクションがある程度出来る人ほどこのドツボにはまり込むんじゃなかろうか。
・没入感について
これについては他ゲーには無い屈指の出来だとは思う。
ただし、このゲームはどちらかと言うと「第
三者視点で、クライヴ・ロズフィールドの物語を見ていくストーリー構成」になっている。
FF14や昔ながらの
RPGと違い、主人公自身が喋り、感情を顕にし、悩み抜いた末に結論を出す。
また、プレイヤー自身はクライヴが知らない視点での話を知っていてメタ読みによる考察も出来るので「まさか、これがそうだったとは!」みたいな驚きは少ない。
このため、「ストーリー自体はこういう展開かと理解し、その中で苦悩するクライヴやキャ
ラクターの心情を追っていく」という楽しみ方をした人には没入できて、クライヴに感情移入できなかったり新鮮な驚きを求めるプレイヤーにとっては「新鮮味の無い話で、興味のない人間が苦悩するさまを長い
カットシーンでダラダラ見せられるストーリー」になってしまい、ゲームに入り込めなくなったのかと。
ここはどうしても描き方の違いがあると思う。
FF14の主人公も
MMORPGとして見ると勝手に動く方だとは思うが、キャラメイクは自分の好きに作れるし、自分から喋ったりはしないのでちょっと意図に合わない行動をした時も「ここはこういうセリフを言ってた事にしよう」と脳内で補完しながら物語を楽しんでいる人が多いと思う。
一方FF16はクライヴの設定が完全に固まっていて、むしろこれでもかと言うほど深掘りしてくる話なのでここに興味が湧くかどうかで評価が180度変わってしまうと思われる。
・音楽について
これも良い出来だと思うが、音楽だけではゲーム体験は作れない。ゲームファーストの音楽であるからこそ、ゲームに入り込めなければあまり評価されない部分になってしまう。
シナリオ、ストーリーの評価について
今作最も力を入れたとされるストーリー。
ここが気に入るかどうかが、最大の分かれ目だと思う。
冒頭にも書いた通り、ストーリーの没入感は他のゲームではありえないくらい深く入り込めるようになってはいる。
ただし、個人的にはエンディングを始め、この辺りは……と思う点がいくつかあり、最大の評価にはならなかった。
以下に具体的な部分を記載していく。
・冒険感が少ない
このゲームの主軸としては、
ヴァリスゼアという大陸を舞台にした戦争や、各都市に置かれたマザークリスタルを巡る戦いがメインに描かれている。
このため、「
前人未到の領域に到達した」とか、「これまで知らなかった舞台に新たに訪れた」みたいな新鮮味が少ない。
もちろん、ストーリー上で初めてクライヴが訪れるという場所はいくつもあるし、それぞれの環境の違いや住む人々の文化の違いなんかは細かく描かれているけど、「新しい舞台」というよりは「次の目的地」という感覚が強い。
FF14での、蒼天でアルフィノ・
エスティニアン・イゼルと共にドラヴァニア雲海を歩いた時の希望と不安が混ざった道中や、紅蓮でクガネに降り立った時やアジムステップに辿り着いた時の「ここから変えていくんだ」という高揚感、漆黒で第一世界を歩いた時の未知感に、暁月で真実に辿り着いた時の驚愕や感動。
そういった「冒険をしている」という感覚は、FF16ではあまり味わえなかったので、
FF14のそこを期待した人には物足りないストーリーになっていると思う。
・魅力的な敵キャラがいない
ここが、かなり惜しい。
例えば
FF7が何故あれだけ人気が出たかというとやはり「
セフィロス」の存在がなんだかんだ大きいと思う。
そういった存在感が、FF16の敵からはどうにも感じられなかった点が残念。
FF14ではやはり魅力的な敵キャラとの対立が数多く存在する。
蒼天での、千年に渡る長い戦いで父祖の恨みを糧に戦う人間側と、千年というつい先日身内を殺されたニーズヘッグとの確執。
紅蓮での、光の戦士や連合軍の前に立ちふさがる絶対強者としてのゼノス。
漆黒での、互いの信念と生き残りをかけて理解し合いながらも相対するエメトセルク。
暁月での、過去から続く過ちの精算とフィナーレに相応しいスケール感を持った終焉。
これらに対して、FF16の敵キャラはどうにも小物感が目立つ。
ベネディクタは序盤の敵としてはしっかり描けていたと思うが、どうしても序盤なので大物感は無い。
フーゴはシナリオが進む毎にどんどん小物感が増していくし、
バルナバスは強者感はあったもののどうにも芯がない感じだし、
ラスボスは最終的に同じところまで落ちてくるし……
敵キャラ自体の描写はしっかりとされているとは思うが、どうにも魅力的と思えるキャラは居なかった。
・エンディングの展開
冒頭にも書いた通り、プレイ後の感想に大きく関わる部分。
ここは正直なところちょっと……満足度に欠ける。
ストーリーの展開自体はFFらしく世界の危機というか、大きな問題に立ち向かうための物語にはなるんだけど、これを乗り越えた後にどんな世界が訪れるかという点を考えると、どうにも綺麗にはまとまらない点がモヤッとする。
バッドエンドとは言えない。しかしその後の幸せな結末が見えないというか、構造上の苦難が目に見えているというか……。
FF14の漆黒や暁月のエンディングのような「こんな所で終われるか!」「全てにケリをつけて皆が待つ場所へ帰る!」的な爽やかさが無いので、終わった後の「よっしゃ~! 終わらせたんだ!」って満足感がどうにも沸かなかった。
ただ、米津玄師の「月を見ていた」が流れた瞬間はかなりぐっと来た。
元々米津さんはあまり詳しく知らないし、トレーラーとかで聴いた時も「まぁいい曲かな~」くらいで思ってたけど、ストーリーと歌詞がメチャクチャマッチしているので、ゲーム内でこれを聴いた時にかなり感動したのは事実。
改めて総評
総じて、光る部分は多々あれども、好みのシナリオ展開かどうかを重視する自分としてはどうにも評価が上がりきらないのが今作。
ただ、悪い部分の感想やコメントを見てると「そこは的外れじゃない?」と思う意見も多々あるので、感じ方や受け取り方が人によって大きく違う作品になってると思う。
プレイ中は深く楽しめたのは事実ながら終わった後のモヤモヤ感も強く今回
言語化してみたが、ゲーム体験自体は悪くないというのがやはり率直な意見。
実際にプレイした人と、いろいろ語ってみたいところではある。